2021/10/07

フローティングコネクタ

自動車向けコネクタとして様々なお悩みを解決!
信頼性の高いフローティングコネクタ MA01シリーズ

現在、自動車ではADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)や自動運転技術の開発に力を注いでおり自動車の安全性能を確保するために高性能な車載ECU(Electric Control Unit)の搭載が必要になってきております。この高機能化を支えるECU内部ではより多くの情報処理が必要となり複数枚の基板を使用する事から、基板間を接続するコネクタの要求が増えてきております。

また、この基板間を接続するコネクタは自動車の安全性能につながる重要なECU内部で使用されるため、自動車向けコネクタとして高い信頼性が求められております。今回は自動車向けフローティングコネクタとして挙げられる様々なお悩み事例とMA01コネクタによる解決についてご紹介します。

Case1 : ロボットで自動組み立てをしたい

ロボットで自動組み立てをしたい場合、どの様なコネクタを使用するのが良いでしょうか?
基板間コネクタは“リジット”と“フローティング”の2種類に分類されます。“リジットタイプ”は固定方式でコネクタがかん合する事で固定されるのに対し“フローティングタイプ”は可動方式となっており、基板実装時やロボットによる組み立て時などで発生する位置ズレを吸収する機能があります。

また同一基板内で基板間コネクタを2セット以上使う場合でも実装誤差を吸収できるフローティングコネクタを使用する事で、基板レイアウト・回路設計の自由度が増します。

フローティング機能のないリジットコネクタの場合、実装でズレが生じているとかん合時にコネクタの破損に繋がり、かん合できたとしても、半田接合部にストレスが掛かった状態で振動や衝撃、熱などが加わると半田クラックが発生し導通不具合を引き起こす恐れがあります。フローティングコネクタMA01シリーズは、ロボットによる自動組み立てによるお悩みを解決致します。

フローティングコネクタ

Case2 : 組み立て作業性をもっと良くしたい

基板間接続コネクタは、基板組み立て作業を行う際にブラインドかん合となる性質を持っています。おおよその位置関係を感覚的に把握し接続する為、コネクタ位置が合わずこじったり、斜め方向でかん合作業を行う事は少なくありません。このブラインドかん合や斜めかん合を考慮し、設計がされていないコネクタでは基板組み立て作業時にコンタクト座屈を誘発するケースがあります。また高機能化に伴いコネクタ信号数が増加する事によりかん合作業が悪化したという話もよくあります。組み立て作業性が悪く、コンタクトが座屈してしまうと信号伝達できないだけでなく、リペアにも多大な時間を要してしまいます。

フローティングコネクタMA01シリーズは、幅・長手方向からの斜めかん合に対しガイドポストを設け、コネクタの傾きを制限しコンタクトの脱落、座屈を防止します。またガイドポストはかん合時の誘い込みの役割も担っており、かん合位置ズレXY±1.0mmまでの誘い込みを可能にすることで、ブラインドかん合やロボットによる自動組み立てにもご使用いただけます(図1参照)。そして、端子の接点には破断面ではなくロール面を使用することで、メッキの摩耗を防ぐと共に低挿抜力で多芯数でもかん合操作性に優れるといった特長があります(図2参照)。

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フローティングコネクタ
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Case3 : 高速伝送と接触信頼性を両立したい

私達の日常生活で活用している製品は時代の進化と共に大きく変化をしております。身近な家電製品で言えばブラウン管だったテレビが液晶へと移り変わりアナログだった画質もデジタル高画質が今や主流となっています。自動車も同じような進化を続け車載用カメラや先進運転システム(ADAS)が搭載され、自動運転はもう実現間近といった状況です。これらの様々な変化は自動車で扱う情報量の増大、高速な情報処理を求められることは言うまでもありません。その為、自動車内部で使用されるコネクタにおいても同様、高速伝送対応が必須要件となってきています。

フローティングコネクタMA01シリーズは、接触信頼性の高い2点接点構造を採用すると共に8Gbps+(10GBASE-KR、PCIe Gen3相当)に対応し、これまでのフローティングコネクタよりも高い接触信頼性と高速伝送に対応します。

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Case4 : 外的要因による導通不具合を解決したい

基板間接続コネクタを使用して原因不明な接触・導通不具合が発生しお悩みになった事はありませんか?

高機能化に伴い重要部品の電子制御化が急増している自動車では、コネクタに不具合があった場合、重大な事故につながる可能性がある為、高い品質と信頼性が要求されます。自動車で使用される基板間接続コネクタとして代表的な不具合として接触部の異物付着が主な原因として挙げられます。

接触部の異物付着は基板実装時や組み立て作業時に発生しているものと考えられます。コネクタ・コンタクト接触部の異物は粉塵、ガス、フラックスなど目視で確認する事はとても困難で、コネクタをかん合した状態で外部から接触状態を確認する事ができませんので不具合を発見し難いと言えます。また、一般的な基板間接続コネクタでは図1で示すような1点接触構造を採用しているケースが多い為、異物が付着した場合に接触不具合を引き起こす可能性が高くなります。フローティングコネクタMA01シリーズでは、このような問題を回避する為、2点接触構造をとっており、万一片方の接点に異物が付着しても、もう一方の接点は接触しているので高い接触信頼性を保つことができます。(実装時におけるフラックス侵入対策もとっております。詳細はCase5を参照ください)

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Case5 : 自動実装時の吸着、検査に困っている

SMTコネクタを基板実装する際、自動実装マウンターはコネクタを吸着ノズルで吸着し実装エリアに運びます。このためコネクタ側にはノズルで吸着する“吸着面”を確保する必要があります。コネクタは異形なものが多く、吸着面を確保することが難しい為、ポリイミドテープを用いて吸着面を設けるケースが少なくありません。テープを貼付し吸着面を形成した場合、テープを貼付する面積が小さく、テープの粘着力がバキュームノズルによる吸着に耐え切れずエラーを発生させる原因となる事があります。また、アングルタイプコネクタによくあるリフロー実装したコネクタの半田付け部(端子部)の画像認識が上手くできない等、お困りになったことはございませんか?

フローティングコネクタMA01シリーズは、キャップ装着により“吸着面”を設けコネクタ吸着時のエラーを防ぐのと同時にキャップでかん合部全面を覆うことにより、Case4にある実装時のフラックス、埃や異物などの侵入を外部から防ぐ効果があります(図1参照)。また、アングルコネクタの半田付け部の画像認識については上部から半田付け部(端子部)を検査が容易な形状となっており、画像認識でのお困りごとを解決します(図2参照)。

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仕様・バリエーション

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MA01 ・ページ

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