嵌合部ピッチ0.25mm/実装部ピッチ0.5mm 8A電源端子付き基板対基板(FPC)接続用コネクタ「WP86SDシリーズ」を販売開始

2023年12月26日

　日本航空電子工業は、スマートフォン、ウェアラブル機器などの小型端末やゲーミングPCなどのICT機器向けに、業界初(*)の8A通電可能な電源端子を備えた小型スタッキングタイプ基板対基板(FPC)コネクタ「WP86SDシリーズ」を開発し、販売を開始いたしました。

*2023年12月時点、当社調べ。小型ICT機器向け基板対基板コネクタとして

概　要

　スマートフォンやウェアラブル機器などの小型機器では実装基板の高密度化が進み、内装用コネクタには小型化が求められると同時に、USB Type-Cの普及と5G高速通信による消費電力の増大のため、急速充電用途をはじめとする大電流対応も要求されています。
　これら市場ニーズを両立するため、当社は嵌合部ピッチ0.25ｍｍ、実装部ピッチ0.5ｍｍのQuad-Row配列(4列配列)とすることで小型化を実現し、業界初となる8A電源端子を備えた基板対基板(FPC)コネクタ「WP86SDシリーズ」を開発し、販売を開始しました。

小型化とお客様の使いやすさを両立させる、両面FPC対応Quad-Row配列コネクタ
　WP86SDシリーズは、小型化の要求に応えるため、従来2列で配置していた端子を4列に分岐させて配置するQuad-Row配列を採用しています。しかし、Quad-Row配列で嵌合部ピッチを小さくすると、内列端子からの配線引き回しのために多層FPCとする必要があり、配線引き回しの複雑化とFPCの大幅なコストアップが課題となります。
　この課題に対し、本製品は嵌合部ピッチ0.25ｍｍを実現しコネクタ外形サイズを小型化すると同時に、内列端子と外列端子を互い違いに配置する千鳥配列とすることにより、単層での内列端子の配線を可能とする各列端子実装部ピッチ0.5ｍｍを確保しました。WP86SDシリーズは、廉価な両面FPCでの表層配線引き回しに対応しながら最小サイズを志向した製品です。

業界初の８A電源端子（従来品比2倍以上の許容電流容量）
　従来品の基板対基板(FPC)コネクタは、電源端子に3Aしか電流が流せず、電流容量が不足した場合、信号端子を使用して分流することで大電流に対応しています。しかし、このようにコネクタの極数が増えると、実装に必要なスペースも増大します。
　WP86SDシリーズは8A通電が可能な2つの電源端子を備え、従来品と同等のサイズでありながら2倍以上の許容電流容量を持ちます。Quad-Row配列と合わせて、従来品比約１/2の長手寸法短縮を実現しました。

特　長

嵌合部ピッチ0.25mm/実装部ピッチ0.5ｍｍ Quad-Row配列(4列配列）、小型と実装性を両立
両面FPCに対応したQuad-Row配列(4列配列）、廉価FPC対応
8A通電が可能な2つの電源端子、小型化・大電流を両立
接触信頼性が高く実績のある2点接点構造
製品嵌合高さH0.6ｍｍの低背設計
モールド破損を抑制するフルアーマー構造、高い堅牢性
シームレスな絞り加工による誘い形状、良好なアライメント性と作業性
嵌合時のクリック感による良好な作業性

基板対基板(FPC)コネクタ製品ラインナップ

適用市場

アプリケーション	キーワード
スマートフォン	高密度実装、急速充電 IO基板中継（高速伝送、大電流）、高機能カメラモジュール、ディスプレイ、他
スマートグラス	高密度実装 IO基板中継、μディスプレイ、カメラモジュール、他
タブレットPC、ノートブックPC、ゲーミング端末、デジタルカメラ	多極・高速伝送、大電流 IO基板中継、GPU中継、ワイヤレスボード中継、イメージセンサ、他

一般仕様

ピッチ	嵌合部：0.25mm、実装部：0.5mm
極数	80極(+2電源)
嵌合高さ	0.6mm
使用温度範囲	-40℃~+85℃
接触抵抗	信号端子：50mΩ以下(初期) 電源端子：20mΩ以下(初期)
挿抜寿命	30回
定格電流	信号端子：AC,DC各0.3A/1極当たり電源端子：AC,DC各8.0A/1極当たり
定格電圧	AC、DC50V
絶縁抵抗	100MΩ以上(初期)
耐電圧	AC250V rms.

材料/仕上

構成部品	材料/仕上
コンタクト (プラグ/レセプタクル)	銅合金/金めっき
インシュレータ	耐熱プラスチック
ホールドダウン (プラグ/レセプタクル)	銅合金/金めっき

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