コネクタとは

コネクタは、電力や電気信号の流れをつなぐための電子部品です。
コネクタはあらゆるところで現代社会を支えています。コネクタの機能と特徴、それを支える技術、その生産工程についてそれぞれご紹介いたします。

コネクタ生産を支えるものづくり技術

コネクタの構成部品をつくるには、まずインシュレータやコンタクトをつくる金型や、製品を仕上げるための組立自動機などの生産設備、また、めっき設備が必要となっています。これらの生産設備を使用して、インシュレータを作るプラスチック成形、いわゆるモールド工程、コンタクトやシェルを作るプレス工程、これに表面処理を行うめっき工程、製品に仕上げる組立工程、検査、梱包工程をへて製品が出来上がります。これら数多くの工程一つひとつに高度に洗練された"ものづくり技術"が必要で、自社のコア技術を日々進化させ、磨きをかけています。では、金型からはじまる一連の生産工程の流れと、ものづくり技術で"品質を確保しいかに良い製品をつくるか"をポイントにご紹介いたします。

金型・組立設備・設計製作

コネクタ製造の要となる金型は、モールド金型とプレス金型です。それぞれ、インシュレータとコンタクトの製造に使用されるもので、基本的に金型の材料には、強度、耐摩耗性に優れた鋼材が使用されています。インシュレータをつくるためのモールド金型では、コネクタの高機能化に伴う金型構造の複雑化により金型内の隔壁は、わずかなスペースしかありません。そのため、樹脂が狭い空間を通り複雑な金型の隅々まで一気に流れるよう、樹脂の流れ具合や量などCADを使ってシミュレーションをし、流動解析技術を駆使しながら金型設計を行っています。こうして設計された金型の製作は、わずかな誤差でもコネクタの品質を左右するため、超精密加工技術が要求されます。

モールド金型

プレス金型

樹脂流動解析

モールド工程

モールド工程では、金型がセットされた成型機を使用してインシュレータを作ります。成型機はインシュレータの形状や材料ごとに最適な機種を選定します。インシュレータの材料は、主に液晶ポリマー、ナイロンなどのエンジニアリングプラスチック樹脂です。ペレット状に加工された樹脂を成型機内部に送り込み、その中で圧力をかけ液状に溶かしながら注射器で押し出すように金型に流し込み、瞬時に冷却し固形化した部品を取り出します。できあがった部品はその折々の成型条件によって細微に出来上がり品質が異なってきますので"いかに早く、安定した品質で生産できるか"がモールド技術のポイントで、多様な経験やノウハウが大変重要です。

インシュレータの材料

モールド成型シーン

モールド成型シーン

プレス工程

モールド工程同様、条件に最適なプレス機械に金型をセットし、コンタクトやシェルを作ります。
薄板に加工された材料を、装置でプレス機に送り込み、金型間に材料をとおし上下ピストン運動で圧力をかけて序々にコンタクトの形に仕上げていきます。当社ではコネクタの要であるコンタクトの2,000回転を越えるスピード生産を実現していますが"いかに複雑な形状を高速回転で精度良く安定して生産できるか"が、金型を含めたプレス技術の重要なポイントです。

プレス機械

プレス工程

プレス工程

めっき工程

めっき工程では、コンタクトの接触部を錆や磨耗から守り、安定接続を確保するため、またお客様がはんだ作業を行いやすいように結線部にめっき処理を施します。めっき技術は、接触の信頼性を確保するだけでなく、環境問題をクリアするノウハウを伴った要の技術の一つとして、自社で確保すべき重要な技術です。このことから、めっき装置も独自に開発しています。めっき処理液は環境に悪影響を与えるため、排水の無害化、リサイクル化など、環境対策には万全の体制を敷いて、ものづくりに取り組んでいます。

めっき工程

めっき工程

排水処理施設

組み立て・検査工程

生産されたインシュレータやコンタクトは、最終的に組立自動機や冶工具などを使用して製品に仕上げられます。"いかに少ない組立工程で、早く、かつ易しく組み立てるのか"、工程設計、組立自動機・冶工具設計技術を含めた組立技術は、品質、コストを決める重要な技術です。近年、コネクタは小型・薄型化の潮流の中でますます微細化し、細かい塵や埃の付着は許されず、また、人間の目視による品質管理にも限度があります。
当社では、それらの問題を払拭するため、クリーンな環境で生産し、画像認識技術を使用した自動検査機能を自動組立機に工程の一部として組込み、組立、検査、梱包までを一括して行うことで、品質の確保に努めています。

組立自動機

検査工程

検査工程

品質保証技術

これまでご紹介した、設計からものづくり全般を支える品質保証技術は、メーカーの基本として欠かせない技術です。当社はこれらの技術をベースに、お客様に安心をお届けする"クレームゼロをめざしたものづくり"を行っています。

航空電子の基本方針とグローバル展開

航空電子は、高速・高精度なものづくり技術と生産設備をもって、「設計」「生産技術」「製造の三位一体」を、「ものづくり改革」の基本方針にすえ、内製化・自動化・省力化による生産性の革新を国内のみならずグローバルにも推進し、お客様No.1パートナーとしての信頼をいただけるよう努めています。

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