2023/12/05

SPE コネクタ

次世代シングルペアイーサネットコネクタ DZ17シリーズ【開発中製品】

SPE コネクタ

社会全体のデジタル化が進む中で、情報通信技術の重要性はますます高まっている。有線LANに用いられる代表的な通信ネットワーク規格である「イーサネット(Ethernet)」は、パソコンなどの情報通信端末のほか、各種家電製品、産業機器、社会インフラ、自動車などあらゆる分野で普及が広がり、人々の生活に不可欠なネットワーク技術となっている。

一方で、情報通信技術の高度化は、イーサネット技術にもさらなる進化を求めており、ネットワークの合理化や効率化、伝送速度の向上、伝送距離の長距離化、機器の小型・軽量化や配線の簡易化、環境への対応などが期待されている。

実用化が進む次世代イーサネット規格SPE

次世代イーサネット規格として、「SPE(シングルペアイーサネット)」が策定され、徐々に実用化が進みつつある。SPEでは、従来は2ペアまたは4ペア(8極)で行っていたイーサネット通信を1ペア(2極)で行う技術で、データ伝送と電力供給を重畳し伝送を行うことが可能(PoDⅬ対応)。

SPE コネクタ

SPEでは、コネクタやケーブルの他、基板実装部分も大幅に小型化できるため、機器の小型・軽量化に寄与する。従来はイーサネットの搭載で小型・薄型化が難しかった機器などへの搭載も可能となり、配線の簡易化にも貢献する。従来のイーサネット(スタンダードイーサネット)と比較してケーブルに使用する銅材が4分の1に削減され、省エネルギー化も図れることから、SDGsの観点においても大きなメリットがある。

SPEは、欧州市場が先行する形で、2010年代から車載用途での実用化が開始され、車載用Ethernetとして搭載が進んでいる。また、先行している車載用途に加え、産業機器用途でも普及が始まりつつある。将来的には、スタンダードイーサネットからの置き換えとしてICT機器への搭載、普及なども期待されている。

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