環境報告書2012

持続可能な社会の形成に向けて 社長 秋山保孝

環境経営について

 2011年度の世界経済は、米国における個人消費の低迷や財政問題、欧州における金融・財政危機など、経済構造上の問題から先進主要国の景気が低迷し、これまで高成長を維持してきた新興諸国も先進国経済の影響を受け成長が鈍化いたしました。また、わが国経済においても、東日本大震災の影響や株式市場の低迷、急激な円高など極めて厳しい事業環境となりました。

 このような事業環境のなかで、航空電子グループの環境経営の指針である「自然環境や生物多様性を尊重し、環境にやさしい事業活動を通して社会的責任を果たすことにより、豊かで持続可能な循環型社会の実現に貢献する」という理念のもと、環境保全と利益創出を同時に実現すべく継続的改善を推進しています。

社長 秋山 保孝

環境活動への取り組み状況

 2011年度は東日本大震災に伴う福島第一原発事故などによる電力不足の影響により電力使用制限令が発動される事態となりましたが、航空電子グループの各工場では日頃の地球温暖化対策に加え緊急の節電対策を実施し対応することができました。この節電対策はそのほとんどを現在も継続し使用電力量削減に努めています。
 地球温暖化対策への取り組みとして、国内の航空電子グループでは電機・電子業界の自主行動計画に参画し、統一目標(1990年度を基準とし2010年度までに実質生産高原単位35%改善)に対し独自に設定した41%改善の上積み目標に対して大幅に目標を達成することができました。 2013年度以降は2020年度までの中長期的な目標として、電機・電子業界の低炭素社会実行計画へ参画を表明し、今後もより一層の地球温暖化対策を推進してまいります。
 環境リスクの観点では、土壌・地下水の汚染リスク評価を行ってきた成果として、2011年度はこれらを「環境汚染予防ガイドライン」として纏めることができました。これを基に各工場の全施設を共通の基準で評価・改善することでさらなる環境リスク低減に取り組んでまいります。
 製品面での環境貢献として航空電子グループでは省エネルギー・省資源に配慮し有害物質を含まない製品の開発に注力すると共に、再生可能エネルギー関連機器やハイブリッド自動車用途の製品もご提供させて頂き、社会全体の環境負荷低減に努めていきます。 

生物多様性との繋がり

 航空電子グループでは東京都奥多摩町に「航空電子グループの森」を開設し、森林保護や水源の涵養(かんよう)へ寄与すると共に、社員による森林保全活動を通じて環境意識の向上をはかってきました。航空電子グループの森は開設から8年が経過し、春先にはコブシやヤマザクラが花を咲かせ、秋にはまだ小さいながらも紅葉を楽しめるようになってきました。森林や水源を護ることは多くの生物を育むことになり、生物多様性という活動にも着目し、今後も当社の環境経営のシンボルとしてしっかり育てて行きたいと考えます。
 航空電子グループは環境にやさしいものづくりや、社会貢献を通じて継続的な環境活動を推進して参りますので、今後ともご支援をお願い申し上げます。
社長  秋山 保孝