次世代車載内装向け静電UIを開発

2022年 8月23日


 日本航空電子工業は、次世代車載内装向けUI(ユーザー・インターフェース)として、一枚のフィルムセンサで非接触操作とタッチ操作、感圧操作を実現する技術を開発しました。CASEによる進化の中で、より質の高いエンターテインメント性が求められる自動車内のUIとして、アームレストやドアトリムなど次世代内装への適用を目指します。

概 要

 自動車市場は100年に1度の変革期を迎えており、CASEの技術革新によりコックピットは日々進化しております。特に自動運転技術やコネクテッド技術が進むことで、これまでにない質の高いエンターテインメント性が求められることからディスプレイはより大面化、曲面化し、UIもタッチ操作以外に音声やジェスチャー操作などマルチモーダル(複数の手段を組み合わせたインターフェース様式)な操作が求められております。このニーズに対して、従来は静電センサに加えて赤外線センサ、ピエゾ素子などを組み合わせる方式が提案されてきましたが、今般、当社は一枚の静電フィルムセンサでタッチ操作、非接触操作、感圧操作を実現する技術を開発しました。

 本技術は、タッチパネル事業で培った静電センサ技術と独自の印刷技術を活かし、一枚のフィルムセンサにて非接触操作(ジェスチャー操作)、タッチ操作(軽タッチ)と感圧操作(押し込み操作)を実現しております。センサパターンには高感度特性が出せるメタルメッシュを採用し、高感度かつ軽快なタッチ操作と、約150mmの距離での近接検出、約100mmでのジェスチャー操作、さらに無段階の圧力検知を可能としています。静電センサのみで実現するため内装機器の開発が容易になるほか、印刷工法で生産されたセンサは高い屈曲性を有しているため、アームレストやドアトリムなどの複雑な形状に追従することが可能でデザインや設置場所の自由度向上に貢献します。
 またステルス印刷のパネルと組み合わせることで、ジェスチャー操作にて必要な時にパネル上にスイッチ画面が表示されタッチ操作で機器をコントロールできるなど、デザイン性が高い次世代UIを実現可能とします。

 当社は2012年より静電タッチパネルの量産を開始し、これまで車載向けUIの開発、製造、販売を行っております。当初より一貫して国内生産にこだわり、昭島事業所(東京都昭島市)内の自動化ラインによる安定した品質でお客様へ商品をお届けしております。この国内生産の強みを生かし、自動車市場に加えて、産業機器、スマートホーム領域など幅広い市場への展開を進めていきます。

次世代車載内装イメージ

FLEXCONVERT™」は、当社の持つ印刷・貼合等の技術と、優れた素材との融合により、新しいユーザー・インターフェース・ソリューションを生み出すコア技術です。
本技術の活用により、自動車、産業機器等のタッチパネルの大画面化、外観性向上、曲面等の多様なデザインへの対応など、様々な顧客ニーズに柔軟に対応した多様な製品に展開を進めてまいります。

 

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