高速光通信市場に向けた50Gbps PAM4光通信モジュールを試作開発

2022年7月20日

 日本航空電子工業は、拡大が続く高速光通信市場に向け、多値変調技術 “PAM4” を用いた50Gbps光通信モジュールを試作しました。

試作した光通信モジュール
試作した光通信モジュール

50G PAM4 光伝送波形
50Gbps PAM4 光伝送波形

 近年、パソコンやスマートフォン、タブレット等様々な電子デバイスが多くの情報を扱うため、アクセス系ネットワークの通信速度が増大しています。また、5GやBeyond 5G、オール光ネットワーク時代の到来に向けて、メトロ・コアネットワーク系も通信速度の向上が求められており、使用される光通信モジュールの高速化は必須となっています。
 当社では、これまでの光オン/オフ(NRZ※)変調より多くの情報伝送が可能な多値変調技術であるPAM4※変調技術に着目し、同技術を適用した光通信モジュールの試作を進めてきました。光による多値変調通信は、通常のメタルケーブル通信と異なり光ファイバーで情報伝送するため、光変復調技術が重要となります。当社は、光ファイバー伝送のための独自の光接続技術や、25GBaud(1秒当たりの変調回数)という高速信号を扱う高周波設計技術などの要素技術開発を進めてきました。今般その技術に基づいた50Gbps伝送可能な光通信モジュールを試作し、良好な光伝送波形を確認しました。

 今後は本技術をさらに発展させ、標準化が進められている車載用途や、光導波路を用いた機器内オンボード伝送、さらには光並列伝送を行うことで、1デバイス当たり800Gbpsの伝送速度を持つ製品の開発にも取り組んでまいります。

※ NRZ: Non-Return-to-Zero
※ PAM4: Four-level Pulse Amplitude Modulation(4値パルス振幅変調)。NRZに比べて1シンボルあたり2倍の情報量を持つ符号化方式。

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