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NECと日本航空電子工業、メタマテリアルを活用した世界最小クラスの高性能アンテナを開発


表面実装部品タイプのアンテナ
左:2.4 GHz帯、11.5 mm x 6.9 mm
右:5.9 GHz帯、6.7 mm x 3.8 mm



 日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:新野 隆、以下 NEC)と日本航空電子工業株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長:小野原 勉、以下 日本航空電子工業)は、無線通信機器に幅広く搭載可能な、世界最小クラスの高性能アンテナを開発しました。

 新開発したのは、無線通信機器内部の基板表面に実装可能な超小型アンテナです。高い送受信性能を持つとともに、アンテナ実装場所の自由度も高く、Wi-Fi、Bluetooth、V2X(注1)、LPWA(注2)など幅広い通信方式に適用可能です。携帯通信機器や車載機器 、ネットワーク家電など、ますます小型・多様化の進む無線通信機器での活用が期待できます。

 NECはこれまで、人工材料メタマテリアルの構成要素の一種である、独自のスプリットリング(SR)共振器をアンテナ素子として採用した超小型μSRアンテナ(注3)を提供してきました。(注4)
今回、日本航空電子工業が最先端コネクタ製品のものづくりにおいて培った精密加工技術を融合することにより、表面実装部品タイプのアンテナを共同開発し、取り扱いを容易にするとともにさらなる高性能化を実現しました。

 様々な機器からデータ収集・分析し、新しい価値を生み出すIoTの活用が本格化しています。今回開発した超小型アンテナは汎用性が高く、幅広い無線通信機器やIoTモジュールへの適用が期待できます。今後両社は、事業化を目指し、本アンテナの開発や実証を進めてまいります。

 なお、日本航空電子工業は本アンテナの試作品を「CEATEC JAPAN 2018」(会期:10/16(火)~19(金)、会場:幕張メッセ)の展示ブースにて展示します。

【新開発したアンテナの特長】
  1. 精密加工技術により、高いアンテナ放射効率を持つ世界最小レベル(注5)の小型アンテナ部品化を実現
    日本航空電子工業の高精度板金プレス加工技術により、微細で複雑なSR構造の形成を実現。これにより、μSRアンテナの部品化を可能とするとともに、90%以上の極めて高いアンテナ放射効率(アンテナ性能)を実現しました。これにより、従来の小型チップアンテナに対して、30%以上の通信エリア拡大を可能としました。
  2. 実装場所の自由度が高く、基板設計時の制約を緩和
    従来の小型チップアンテナは、アンテナ性能を引き出すために基板のコーナー付近に配置する必要がありました。新開発のアンテナは、独自のSR共振器を用いるため、基板のコーナー以外の場所にも置くことが可能となり、実装場所の自由度が向上しました。

(注1) V2X (Vehicle-to-Everything):
自動車とその周辺の様々なモノをつなぐ無線通信技術で、車両同士(Vehicle-to-Vehicle:V2V)、信号機や道路標識等の路側インフラと自動車(Vehicle-to-Infrastructure:V2I)、歩行者と車両間(Vehicle-to-Pedestrian:V2P)などの無線通信技術を総称する。

(注2) LPWA (Low Power Wide Area):
少ない消費電力で、km単位の距離を通信できる無線通信方式の総称。

(注3) プレスリリース:
「NEC, メタマテリアルを応用し、無線モジュールの通信性能を向上する世界最小クラスのアンテナを開発」(2012年3月19日)
URL:http://www.nec.co.jp/press/ja/1203/1902.html

(注4) プレスリリース:
「Draft IEEE802.11ac」対応で国内最小サイズのWi-Fiホームルータ「AtermWF800HP」など4機種8モデルを発売」(2013年6月11日)
URL:https://jpn.nec.com/press/201306/20130611_01.html

(注5) NEC調べ


 
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