環境報告書2011

持続可能な社会の形成に向けて 社長 秋山保孝

 はじめに、この度の東日本大震災により被害をうけられました皆様には心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 弊社におきましては東北地方の生産拠点で震災の影響を受けましたが、皆様方のご支援により速やかに操業を再開することができました。深く感謝申し上げます。

社長 秋山 保孝

環境経営について

     航空電子グループは、「自然環境や生物多様性を尊重し、環境にやさしい事業活動を通して社会的責任を果たすことにより、豊かで持続可能な循環型社会の実現に貢献する」ことを環境経営の指針と位置づけています。具体的には、省エネルギー対策、原材料・化学物質の効率的使用、排出物抑制・汚染の予防などの諸活動を推進し、継続的な環境保全を行うために、環境保全と利益創出を同時に実現すべく努力しています。

環境活動への取り組み状況

 地球温暖化対策への取組みとして「環境意識の啓発」「生産系での対策」「工場施設での対策」を基本に据えた活動を推進し、CO2の削減に成果を上げてきました。この中で特に2010年度は省エネ活動に加えて草の根運動を展開し、社内活動を見直すだけでなく更にその家庭を含めた裾野を広くした活動の展開を始めました。
 航空電子グループ全体として電機電子業界の統一削減目標(1990年度を基準とし2010年度までに実質生産高原単位35%改善)および東京都に生産拠点を置く昭島事業所に適用される東京都の温室効果ガス排出総量削減義務(2010年度から2014年度の第一計画期間については平均で6%)を共に活動の指標として推進しています。 今夏は震災による節電が必須となっていますが、事業の発展と節電の達成というこれらの両立は実現可能と認識し、より一層の省エネ活動を展開していきます。
 また、環境上の問題として土壌・地下水の汚染を予防することも重要であると認識し、2010年度には化学物質使用設備の汚染リスクを評価する施策を進め、評価結果を基に地下配管の地上化、地下タンクのFRPコーティングを実施する等、設備の改善に繋げています。
 一方、持続可能な社会を実現するためには、環境負荷の少ない製品の普及が必要になるといえます。航空電子グループにおいては省エネルギー・省資源に配慮し有害物質を含まない製品の開発に注力すると共に、再生可能エネルギー関連機器やハイブリッド自動車用途の製品もご提供させて頂き、社会全体の環境負荷低減に貢献しています。

生物多様性との繋がり

 航空電子グループでは、2004年6月に森林保護や水源の涵養(かんよう)等を目的として東京都奥多摩町に開設した「航空電子グループの森」における植樹、下草刈り等を通じ、社員の環境意識向上に寄与してきました。森林や水源を護ることは多くの生物を育むことになり、生物多様性という新しい概念を加えて、今後も当社の環境経営のシンボルとしてしっかり育てて行きたいと考えます。
 環境にやさしい製品づくりとともに、緑を増やし生きものを守る航空電子グループの継続的な環境活動を推進して参りますので、今後ともご支援をお願い申し上げます。
社長  秋山 保孝