環境報告書2012

環境法規制の遵守状況

 環境問題は地球規模で進行しており、環境に関する国内外の法規制は毎年のように拡充され続けています。
 法規制違反に対する社会の評価も年々厳しさを増しており、倫理・法令を遵守し公正で誠実な事業運営を行うことが企業に強く求められています。
 航空電子グループでは早い時期から法規制の遵守を最重要事項の一つと考え、企業倫理に関する社内体制の整備や浸透活動を推進してきました。
 環境関連の法規制においてもその動向を常に調査し、規制基準値の超過や規定された義務の見落とし等のリスクを予防する活動を進めるとともに、事故が発生した場合の被害を最小限に抑えるため対応訓練を行っています。


●環境法規制の遵守体制
 航空電子グループにおいては、環境関連法規制の中から常に遵守状況を把握するべきものとして約50の法規制を登録しています。
 登録された法規制に対しては官報や地方自治体の公報等により定期的に改正状況を確認し、必要に応じて登録表を更新すると共に、届出や報告の義務について年に1回以上の遵守状況調査を実施しています。


●大気・水質の排出基準について自主基準値の設定
大気汚染防止法
水質汚濁防止法
下水道法
各地方自治体の条例
法令による基準値の約80%の数値を自主基準値として設定

 有害性の高い排水監視項目のうち、シアン及び六価クロムについては自動連続測定装置による常時監視を行っています。(JAE昭島事業所)


●地下水中のふっ素濃度測定(JAE)
 2006年2月に昭島事業所において発生しましたふっ素含有廃液の漏洩・地下浸透事故への対応の一環として、構内に観測井戸を設置し地下水を定期的に観測してきました。2011年9月までの約5年間における地下水中のふっ素濃度は、定量下限値未満(0.08mg/L未満)から0.22 mg/Lの間で不規則に変動しており、環境基準値及び上水道飲用基準値である0.8 mg/Lを十分下回る値でありました。この結果をもちまして事故による地下水への影響は無いと判断し定期的な測定を終了することとしました。今後は必要に応じた地下水の観測を行っていきます。


●改正水質汚濁防止法(地下水汚染の未然防止)への対応
 2011年6月に水質汚濁防止法(水濁法)の一部を改正する法律が公布され、地下水汚染の未然防止のため以下に示すような措置が新設されました。
   ・事前届出の対象施設の拡大(有害物質貯蔵指定施設)
   ・地下水汚染を未然に防止するための、構造等に関する基準の遵守義務
   ・定期点検の実施、記録の保存の義務
 航空電子グループでは、2011年度内から改正内容の把握や対象施設の確認調査を行い、以下のとおり対応を進めています。 
有害物質貯蔵指定施設の届出 JAE 2施設及びHAE 2施設の届出を完了(2012年6月)
構造等に関する基準への適合状況確認 JAEの一部配管において対応が必要(他は問題なし)
定期点検の実施、記録の保存 従来から実施。法による基準にあわせ内容を修正
(関連記事を「特集:改正水濁法対応」の項にも掲載していますのでご参照下さい。)


●2011年度の違反等の状況
 2011年度において、排出ガス、排水、騒音・振動等の規制基準超過による行政からの要請・指導や環境に関する罰金、訴訟等はありませんでした。しかし、昭島事業所における自社測定において、下水排水のBOD値の基準値(基準値300mg/L未満)とpH値の基準値(基準値5.7以上8.7未満)の超過が数回確認されました。原因は事業所内の生活系排水によるものであり、対策を設定し改善を図ると共に、状況については下水道管理者である昭島市に報告しています。