環境報告書2017

環境リスク低減

フロン排出抑制法への対応

航空電子グループ全体では、一般的な空調機器や冷蔵機器に加え、生産設備等のオイルクーラーや製品評価に使用する恒温・恒湿槽等の試験装置など、およそ1400の機器が法的義務の対象となっており、使用する全ての対象機器の把握、点検、記録、算定漏えい量の集計等の手順を定め運用しています。
2016年度においても全ての対象機器の簡易点検、計画した定期点検を完了し、廃棄した機器についてはフロン行程管理票が適切に運用されていることを確認しました。また、各サイトのフロン類算定漏洩量は、報告必要量の1000トン(CO2換算)を大きく下回っています。
フロン類を使用した機器の全てが点検対象となったことにより、フロン類の漏えいによる地球温暖化への対策と併せて、機器の異常や故障等によるエネルギー効率の低下などの早期発見、対応につなげていきます。

HCFC(R22など)の生産中止について

フロンガスのうちR22などのHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)に分類されるガスについては、2019年末をもって生産が中止されます。HCFCを冷媒として使用している機器は引き続き使用できますが、補充用のHCFCは廃棄された機器から回収し再生されたもの等に限られるため、入手が困難になる可能性があります。
航空電子グループにおいてもHCFCを使用している機器を多数使用しており、他の冷媒を使用する機器への切替え等の対応を進めています

土壌・地下水汚染の防止

 工場跡地の再開発等や自主的な調査を契機として、有害物質による土壌汚染や地下水汚染が発見されることが増えています。一度汚染してしまうと対策には多大な費用や時間が必要となるため、重大な問題としての認識が年々高まってきており、関係法令の整備が進められています。
 航空電子グループでは、有害物質を取扱う施設及び燃料油関連施設などのリスク評価を行い、地下の貯蔵設備や配管について二重化等の汚染防止対策を行ってきました。これまでの汚染の防止活動の幾つかをご紹介します。
 
2010年: 有害物質を取扱う施設及び燃料油関連施設について、土壌への漏洩・浸透のリスク評価と地下配管の地上化を開始(日本航空電子工業(株)昭島事業所)。
2013年: 環境関連設備の老朽化・耐用年数の調査を始め、有害物質貯蔵指定施設に付帯する配管の主要なバルブ等を適切な間隔で定期交換し、漏洩リスクの低減を進めています(日本航空電子工業(株)昭島事業所)。
2014年:
リスクが高いと評価された有害物質及び燃料油関係の地下配管の地上化を完了。
めっき工程で発生する排気の洗浄装置の更新並びに、排水洗浄処理塔の防液堤へ再コーティングを行いました(弘前航空電子(株))。
2015年: 総合評価試験棟の建築のための旧工場解体に伴い、土壌調査を実施し汚染の無いことを確認しました(日本航空電子工業株式会社昭島事業所第4工場跡地)。

燃料油の地下配管をU字溝内に設置(二重化)
地下タンクからの配管の一部が
地下埋設されていたものを地上化
排気の洗浄装置の更新
排水洗浄処理塔の防液堤へ再コーティング