環境報告書2019

持続可能な社会の形成に向けて  社長 小野原 勉

環境経営について

 私たち航空電子グループは、ESGの視点のもと「環境との調和」を「航空電子グループ企業行動憲章」に掲げて、自然環境を尊重し、環境にやさしい企業活動を通して、スマート化する社会インフラや次世代環境対応ビジネスに向けた、省エネルギー、省資源を実現する商品をお届けしています。
 今日、甚大な水害や農作物の壊滅的被害が世界各地で報じられており、SDGs(持続可能な開発目標)にも示されている、生態系破壊を伴う大雨、熱波、豪雪といった気候変動への対策など、世界的に共通で重要な環境関連目標に向けて、減速することなく活動を進める必要性を改めて認識するところです。
 私たち航空電子グループは、地球環境に恩恵を受ける一企業市民として、当事者意識を持ち、企業活動で発生する環境への負荷を低減し、安全・安心かつ豊かで持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

社長 小野原 勉

環境活動への取り組みについて

 航空電子グループは、法令を順守し絶対に公害を出さないという基本的な取り組みはもとより、お届けする商品と、その商品の資材調達、開発、生産からお客様へお届けする物流、廃棄までを含めた企業活動全般の環境への影響を十分に認識し、環境の保護や地球温暖化対策など社会全体が抱える環境課題に取り組むことを、環境方針として掲げ、活動しています。
 2004年6月、東京都の林業振興・森林保全事業である「企業の森事業」に参画し、東京都奥多摩町に環境経営のシンボル「航空電子グループの森」を開設して以来、植林、下草刈りや通路整備など森林の保全と水源の涵養に貢献してきました。2018年11月、第42回全国育樹祭に当たり、これらの多年にわたる継続的な森林保全活動に対して、森林整備・森林保全部門における「東京都緑化等功労者」として東京都より感謝状をいただきました。(詳しくは「航空電子グループの森」をご覧ください)
 地球温暖化対策では、使用比率の大きな生産設備のエネルギーに着目し、設備の断熱、圧縮空気の漏れ対策を始めとして、国内外の全ての生産拠点において、生産エリアの空調管理の見直しや、ものづくりの効率化などエネルギーの有効利用に継続的に取り組んでいます。
 近年、国際社会が団結して取り組むべき大きな環境問題として、海洋プラスチックが取り上げられています。当社としても、かねてより、プラスチック廃棄物の再資源化や埋立て処理の削減を環境目標として活動しています。
 この活動を進めるためには、お客様やお取引先様のご指導とご協力が不可欠なものとなりますが、ここで、お客様、並びに営業部門、設計部門、物流部門が一体となった取り組みとして、SDGsの目標14 (海の豊かさを守ろう)にもつながるプラスチック廃棄物の再利用を推進した事例をご紹介したいと思います。お客様にお届けする商品の梱包用プラスチック製緩衝材として、特殊な製品形状に合わせて加工した専用の発泡スチロールを使用していましたが、輸送や取扱いを想定した評価試験を行った上で、お客様の理解も得て、一般的な気泡緩衝材(通称エアキャップ)に変更しました。紙による毛羽立ちの無い気泡緩衝材はそのまま再利用できることに加え、梱包箱の小型化、軽量化による物流負荷の低減、ダンボールの省材料化など幅広いコスト効果も見込まれます。

 航空電子グループは、企業活動における環境負荷を低減するとともに、有害物質を含まず環境負荷の少ない製品を開発し、お客様の環境配慮製品に採用して頂くことで持続可能な社会の発展に貢献します。「航空電子グループの森」において毎年継続している森林保全の体験学習は活動基盤となる環境意識の醸成に役立っており、これからも環境経営のシンボルとして育んで行きたいと思います。
 今後も環境に優しいものづくりを実践することで、企業活動と環境保護の両立を図ってまいります。
 皆様のご支援、ご理解をお願い申し上げます。

社長 小野原 勉