環境報告書2011

地球温暖化対策

 地球温暖化対策は世界的な重要課題であり、私たち一人ひとりにとってより一層の取り組みが求められています。
 航空電子グループでは「環境意識の啓発」「生産系での対策」「工場施設での対策」を3つの柱として、地球温暖化対策に取り組み、環境活動において目的・目標に掲げて取り組んでいます。
 2010年度の活動の特徴は「省エネ10か条」を制定したことにより社員の省エネ意識の啓発と活動の指針を示したことです。

電機・電子業界の統一目標への対応状況

 2010年度の国内航空電子グループのCO2総排出量は30,668トンとなり前年度比で6.5%増加しました。
 排出量の増加は2009年度に比べての景気の回復に伴う生産量の増加によるものです。
 日本経済団体連合会の自主行動計画における電機・電子業界の統一目標(1990年度を基準とし2010年度までに実質生産高原単位※35%改善)に対して、各種省エネ施策に取り組み39%改善を達成しました。

エネルギー使用によるCO2排出量/原単位の推移
  国内JAEグループ実質売上高原単位推移


※CO2排出量実質生産高原単位=CO2排出量/実質生産高
 実質生産高は生産高を日銀国内企業物価指数(電気機器)で割り戻すことにより、電機・電子業界で顕著な価格下落を補正した指標です。
 実質生産高=生産高/国内企業物価指数(電気機器)
※電力使用によるCO2換算係数は、電気事業連合会公表値を使用し、2010年度は2009年度実績(0.351ton-CO2/MWh)を使用しています
 

東京都の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」への対応状況

 東京都内の大規模事業所に対して温室効果ガス排出量の「総量削減義務と排出量取引制度」が2010年4月1日からスタートしました。
 都内事業所の中でCO2排出量の多い事業所(約1400)が本制度の対象となっています。昭島事業所は本制度の中の特定地球温暖化対策事業所として指定されており、2005年度~2007年度のCO2排出量平均値/約10,389トンを基準排出量として、2010年度から2014年度の第一計画期間については平均で6%の削減義務が課されます。
 第一計画期間は、今後5ヵ年の生産計画及び地球温暖化対策計画等により自己努力による削減義務達成可能と見込んでいます。
2010年度の排出量は基準排出量からおよそ15%減となり、当初計画以上の削減を行うことができました。 

省エネに関する草の根運動

 省エネ活動は、環境管理活動の一環としてこれまで長く取り組んできておりますが、省エネに関する要求は、世界的にますます厳しいものとなっております。このような背景の下に、今一度省エネ活動を活性化するために、私たち一人ひとりが家庭を含め幅広く地道な活動として展開する必要があると考え「草の根運動」を展開することにしました。
 「草の根運動」としてこれまで展開している主な活動概略を以下に示します。

●省エネ10か条の制定 
    省エネ活動実施のための基本的な行動指針を、「省エネ10か条」として制定しました。省エネ活動を展開していく上での基本となります。
 一方で省エネ活動は、会社だけではなく家庭での活動が省エネ効果を拡大し、さらに一人ひとりの継続した意識啓発につながると考え、この「省エネ10か条」には家庭で出来る省エネ施策も制定しています。
 さらに省エネ施策ごとの省エネ効果を実感し易くするために、「省エネ効果一覧表」を社員に公開しました。
省エネ10か条

●全従業員を対象とした「eラーニング」の実施
  
省エネ活動を各個人個人のレベルで幅広く展開するために、航空電子グループの全従業員に対して省エネに関する教育を実施しました。この教育では、すべての営業拠点、すべての分身会社の従業員に対しても、同じ教育内容で、同じ時期に教育を実施しました。
 教育の内容は、「省エネ10か条」の内容も含まれ、家庭で出来る省エネ施策も含めた内容となっています。
 非常に多くの従業員に対して実施する必要があるため、教育方法はパソコンによる「eラーニング」形式を用いて、2011年2月に実施し一人の未受講者も無く教育が完了しました。「省エネ活動を各個人個人のレベルで幅広く展開する」という「草の根運動」の目的を達成することが出来ました。
教育資料

●省エネ10か条に基づく各施策の実施
  
省エネを徹底して実施するために、これまでの省エネ活動を踏まえてもう一度全社で省エネ施策の一歩踏み込んだ見直しを行い、可能と判断できる省エネ施策を実施しました。ここでは特に工場施設で実施した例を示します。
  • 全職場での照明の見直し(必要照度を確保できるまで消灯)
  • 全職場での温度管理の徹底(夏季中のクールビズの徹底)
  • 食堂照明の見直し(必要照度を確保できるまで消灯)
  • エレベータの見直し(稼動するエレベータと停止できるエレベータ)
  • トイレの保温(温水、便座)のOFF
照明の見直し

●各施策の実施状況の確認
 これまで実施してきた施策の徹底状況を維持するために、定期的な「省エネパトロール」として各部門に対して照度計、温度計(生産部門はエア漏れ検査器)を持ちながら実施状況をパトロールし、必要な部門には更なる省エネの提案を行っています。 
 

2010年度のその他の主な省エネ施策

【生産系の省エネ事例】

  • プレス工程、めっき工程の生産効率アップによる省エネ(JAE)
  • エージング工程改善による省エネ(JAE)
  • エアー漏れ点検、改善による省エネ(JAE)
  • クリーンルーム空調の夜間・休日運転停止による省エネ(JAE)
  • 真空ポンプ設備の稼働時間増(HAE、YAE)
    昨年度に引き続き、工場エアーから真空ポンプ仕様に変更した設備の稼動台数及び稼動時間を増加することにより電力消費量を削減。
真空ポンプ稼動

【工場施設の省エネ】

  • 蛍光灯の間引きの更なる推進(全サイト)
  • 照明設備の更新(JAE)
    蛍光灯用銅鉄製安定器350台をインバータ安定器に交換しさらにFLR40W2灯式の蛍光灯器具280台を省エネ型40W1灯式に交換。
  • 無停電電源装置(UPS)の見直し(JAE)
    セントラル方式のCVCF(交流用無停電電源装置)老朽化に伴い当該設備の運転を停止し、UPS全体を見直して唯一必須となったサーバ室内にのみUPSを設置。
サーバ室に設置したUPS