環境報告書2017

環境法規制の遵守状況

 環境問題は地球規模で進行しており、環境に関する国内外の法規制は毎年のように拡充され続けています。
 法規制違反に対する社会の評価も年々厳しさを増しており、倫理・法令を遵守し公正で誠実な事業運営を行うことが企業に強く求められています。
 航空電子グループでは法規制の遵守を最重要事項の一つと考え、環境関連の法規制においてもその動向を常に調査し、規制基準値の超過や規定された義務の見落とし等のリスクを予防する活動を推進しています。また、環境上の事故等が発生した場合の被害を最小限に抑えるため、対応手順を定め定期的に訓練を行うと共に手順の有効性を確認しています。


●環境法規制の遵守体制
 航空電子グループにおいては、環境関連法規制の中から常に遵守状況を把握すべきものとして約70の法規制を登録しています。
 登録された法規制に対しては官報や地方自治体の公報等により改正状況を確認し、届出や報告の義務について定期的に遵守状況調査を実施しています。


●大気・水質の排出基準について自主基準値の設定
大気汚染防止法
水質汚濁防止法
下水道法
各地方自治体の条例
法令による基準値の約80%の数値を自主基準値として設定
有害性の高い排水監視項目のうち、シアン及び六価クロムについては自動連続測定装置による常時監視を行っています。(JAE昭島事業所)


●2016年度の違反等の状況
 2016年度において、排出ガス、排水、騒音・振動等の規制基準超過による行政からの要請・指導や環境に関する罰金、訴訟等はありませんでした。しかし、JAE昭島事業所において、下水排水のSS値の基準値(基準値300mg/L未満)及びpH値の基準値(基準値5.7以上8.7未満)を超える値が稀に観察されることがありました。原因は事業所内の生活系排水によるものと考え、状況について下水道管理者である昭島市に報告し対策を進めています。


●PCB特別措置法の遵守
PCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)が2016年5月に改正され、同年8月1日に施行されました。この改正により高濃度PCB廃棄物及び使用中の高濃度PCB使用製品の処理期限が以前より早まっています。航空電子グループにおいては処理対象機器の調査及び処理を進めており、2016年度末において、国内生産5サイトのうち処理対象機器を保管しているサイトは2サイトとなっています。


●フロン排出抑制法の遵守
 2015年4月から施行された改正フロン法では、対象機器の管理者に対し以下のような義務が課せられており、航空電子グループにおいては管理手順を整備し義務を遂行しています。
 ・対象機器の定期点検(資格者による点検)
 ・対象機器の簡易点検(資格は不要)
 ・点検記録の保管
 ・漏えい量の算定、及び漏えい量の合計が一定以上の場合、所管省庁に報告。

 2016年度の航空電子グループにおいては、報告が必要となる1000トン以上のフロン類の漏洩があった拠点はありませんでした。今後も法律の目的を尊重し、フロン類の適正な管理に努めます。
 (詳細については環境リスク低減の項を参照