環境報告書2009

地球温暖化対策

地球温暖化は、エネルギーの消費などその原因となる活動を行っている私たち1人1人に課せられた重要な問題です。 グループ各社では生産性の向上や、電力及び燃料などの有効利用による省エネルギー活動に加え、社員の意識啓発を行うことで、家庭など社外における地球温暖化対策の推進も目指しています。 

温室効果ガス排出の状況

 グループにおけるCO2排出量は2007年度比9.9%減少となりました。これは各サイトでの地球温暖化対策の推進に加え、下期からの急激な経済状況の変化に伴う生産減が大きく影響しています。また日本経済団体連合会の自主行動計画における電機・電子業界の統一目標(1990年度を基準とし2010年度までに実質生産高原単位※35%改善)を上回る38%改善を目標としましたが、こちらも経済状況の影響を受け、34.5%改善という結果になりました。
 2008年度は工場内蛍光灯のインバーター化、各種ポンプ類のインバーター化といった施設系の施策の推進に加え、生産効率の改善など生産系の施策の更なる推進を行い、CO2換算で1,498トン分の排出を抑制しました。
 また、JAEサイトの昭島事業所では、9月に省エネ診断を受け、そこで指摘された照明や不使用時の設備類稼動状況の見直しに着目し、各サイトに水平展開を進めながらCO2排出量削減を実施しています。
 2009年度も地球温暖化対策を環境経営における重要課題とし、生産系における対策では、生産性の向上に加え、工場エアーの漏れ削減によるコンプレッサーの消費エネルギー削減といった、運用面での改善に力を入れることで、厳しい経済状況においても確実な地球温暖化対策の推進に取り組んでいきます。
※CO2排出量実質生産高原単位=CO2排出量/実質生産高
 実質生産高は生産高を日銀国内企業物価指数(電気機器)で割り戻すことにより、電機・電子業界で顕著な価格下落を補正した指標です。
 実質生産高=生産高/国内企業物価指数(電気機器)
※電力使用によるCO2換算係数は、2006年度までは電気事業連合会公表値を使用し、2007年度以降は0.41ton-CO2/MWhに固定しています。

エネルギー使用によるCO2排出量/原単位の推移
  国内航空電子グループ
  削減計画によるCO2排出量実質生産高原単位推移

2008年度の主な取り組み

(1)エコドライブ説明会(HAE)
 1)正門、駐車場、来客受付窓口等にアイドリング・ストップの看板設置
 2)青森県からのアイドリング・ストップのステッカーを社有車へ貼り付け
 3)環境省のエコドライブDVD上映会を全従業員対象に実施
 4)アイドリング・ストップ装置付き社有車の導入
 5)社有車運転登録者を対象とした外部講師によるエコドライブ教育(通算約150名の受講)

2009年度においては対象者をマイカー通勤者に拡大すると共に、実車を使用したエコドライブトレーニングの実施を検討することにしています。

(2) 排熱利用による暖房用燃料の削減 (YAE)
 今までは生産設備機器から出る熱は屋外に排出していましたが、機器の殆どが発熱する為冬季間の暖房補助とし工場内に排熱を取り入れました、これによりボイラーの燃料であるA重油の使用量が減り大きくCO2排出量を年間で約250ton削減することができました。

(3) WED冷却装置 (FAE)
 2008年度は工作機械の付帯装置の更新による省エネを実施しています。余り大きな量ではありませんが、ワイヤーカット放電加工機の加工液冷却装置に於いて、効率的なタイプに変更することにより消費電力を約1/2にすることができ、CO2排出量を年間で約5ton削減することができました。

(4) コンプレッサーの運用見直し (SAE)
 運転削減による効果が大きいコンプレッサーの運用を見直し、終夜連続運転していた2台のコンプレッサーを1台運転に集約してCO2排出量を年間で約20ton削減することができました。 当初は、第2工場の大型コンプレッサーを第1工場の終夜連続運転の配管系統に接続し直す工事が必要と考えられましたが、工場間でのバックアップ用に整備してあった配管を活用することにより、最小限の変更で効率的に実現させたことも意義が大きいと考えます。 

最近の取り組み

(1) 看板照明等の消灯
各サイトの工場などにある会社のロゴサインや看板は、以前は夜間にライトアップされていましたが、省エネルギー活動の一環として夜間も消灯状態としています。またHAEでは、青森空港にある広告看板のライトアップを、全国的に行われる「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」の集中取り組み日には消灯するという取り組みも始めました。

(2) 社員の地球温暖化対策意識の啓発
航空電子グループで働く1人1人の社員の地球温暖化対策への意識を向上させることは、社内の活動へ寄与するだけでなく、CO2削減がなかなか進まない家庭部門の対策推進にも貢献します。

・環境家計簿への参加
環境省が実施している「我が家の環境大臣」の環境家計簿に「航空電子グループ」として登録し、社員に対して参加を呼びかけています。2009年度当初の参加者は少数ですが、社内の環境教育などを通じて広く呼びかけ、参加者の拡大を図っていきます。
・ノーカーデー*の実施 (JAE昭島事業所)
昭島事業所は東京都内ということもあり、比較的公共交通機関が充実していることから、マイカー通勤者にノーカーデー実施を依頼し、通勤によって発生するCO2の削減を進めています。
*ノーカーデー
マイカー通勤者が、地球温暖化対策のために、公共交通機関等を利用して通勤する日。
2009年度は月2回を目標。