環境報告書2009

化学物質の管理・PRTR情報

化学物質のリスク管理として、法定の管理責任者や資格保有者を部門や年齢を考慮して適正に配置しています。 また、各部門で化学物質管理責任者、化学物質管理者、化学物質取扱担当者を選任して管理を徹底させ、緊急時 対応においても構内関連部門を含めて通報先を明示し訓練を実施しています。

化学物質の管理

 社内の事前評価制度である「安全環境審査」では、新規の化学物質や設備の導入、工事、廃棄物の排出などについて審査しています。化学物質の使用に関しては、運搬や保管、取り扱い、廃棄、その他の必要な情報を記入した自社様式の「化学物質安全管理表」を作成し審査を実施します。これに合格し登録されないと購入ができません。新規化学物質の事前評価フロ-を以下に示します。
 2008年度の化学物質の登録状況は次表の通りです。研究開発や工程の改善のため多くの化学物質を審査登録しています。並行して不要な化学物質の見直しをしていますが、近年、全体数が増加していますので、引き続き不要な化学物質の削減を積極的に推進していきます。

■日本航空電子工業・昭島事業所
  2006 2007 2008
登録数 2,049 2,093 2,215
登録廃止数 125 128 48
新規登録数 91 172 170
化学物質品種数 1,597 1,664 1,733
*登録数は用途ごとに登録するため品種数より多くなっています。


■新規化学物質事前評価フロ-

PRTR情報

 PRTR対象物質取扱量の推移を表に示します。数値は国内生産会社5社の合計値であり、★印はPRTR届出の対象となった生産拠点の数に対応しています。RoHS指令への対応で六価クロムと鉛関係は年々削減して参りました。2006年度では、一定の状況に落ち着きましたが、RoHS対象外の用途では、お客さまのご要求に応じて使用の可否を判断しており、2007、2008年度の鉛の増加はこの影響が現れたものといえます。
 コネクタの成形材料には難燃性のために三酸化アンチモンを含有するものがあり、2007年度からアンチモン及びその化合物が3倍以上に増加しています。これは三酸化アンチモンを含有する新規品の生産増によるもので、成形材料中の含有量が特に多いものを選択した訳ではありません。PRTR対象物質への対応として廃棄量削減も重要ですので、成形材料や鉛についても取扱量の増加はあるものの、リサイクルを推進することで対応していますが、表に示しましたとおりPRTR対象物質及び取扱量も少ない状況にあると認識しています。また、積極的に電子届出を利用しています。

■PRTR対象物質取扱量推移 単位:トン
年度 2008 2007 2006 2005

アンチモン及びその化合物

★★19.9 ★★11.2 ★★3.5 ★2.8

シアン

★2.1 ★2.7 ★2.6 ★2.0

六価クロム化合物

0.14 0.16 0.17 0.41

ニッケル

★5.8 ★7.7 ★6.8 ★7.5

ニッケル化合物

★1.9 ★2.7 ★★2.8 ★2.4

ふっ化水素及びその水溶性塩

★★4.6 ★★5.2 ★★4.2 ★3.1

鉛及びその化合物

0.30 0.21 0.11 0.16
★:PRTR報告対象(複数事業所が対象となる場合は該当数を表示)

VOC(揮発性有機化合物)情報

 VOC関係物質の全体傾向としては、大気排出量について、2008年度も抑えられていますが、削減率については、-31.0%と政府の目標である2010年度の-30%に対して余裕がありませんので、VOC関係物質の削減に向けて、目標を達成するために削減活動を継続していきます。
 

●PRTR
Pollutant Release and Transfer Register(化学物質排出移動量届出制度)の略称。人体への影響が判明していない化学物質も含め、有害な化学物質の環境への排出量の把握などを通じて、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進、環境の保全上の支障を未然に防止する仕組み。日本では「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)により制度化されています。