環境報告書2016

化学物質の管理

化学物質の管理の改善

 作業者の安全や健康への配慮及び環境負荷低減に向けて、化学物質管理の改善に注力しています。ここでは、国内グル-プを対象とした取り組みと、 国内各 サイトでの事例に分けてご紹介します。

<国内グル-プ共通>
GHS(※マウスを置いて定義をご覧ください)シンボルの教育
 災害防止、安全性の確保や環境の保護、使用者への周知のために、GHSシンボルについて、化学物質の使用者や管理者を対象にe-ラーニング(インターネットを利用した学習形態)教育を512名に実施しました。実施したサイトは、 JAE、HAE、YAE、FAE、SAE です。今後も危険有害性情報の周知に努めていきます。

◆化学物質情報の共有化
品種の多いJAEサイトの化学物質データーベースを国内4サイトへ公開し、SDSの情報を共有化することで、SDS入手の効率化をはかることを目的に、化学物質安全データシ-ト(SDS)を提供する取組みを始めました。

<JAEサイト>
◆化学物質の登録に関するしくみの効率化
まず初めに化学物質登録について説明します。
社内の事前評価制度である「安全環境審査」において、新規化学物質や設備の導入、工事、廃棄物の排出及び安全上問題と思われる非定常作業などについて審査しています。化学物質の使用に関しては、運搬や保管、取り扱い、廃棄、その他の必要な情報を記入した自社様式の「化学物質安全管理票」を作成し審査を実施します。
ここで、化学物質についてはこの審査に合格し登録することにより購入が可能となります。
 JAEサイトにおいて「安全環境審査」は、従来 部内審査と委員会審査から構成されていたものを2012年より委員会審査の電子化を行い、効率化を図りました。2015年度には、審査の信頼性を担保しながら、更なる効率化と審査員相互の情報共有・知識レベルの向上を目的として部内審査を委員会審査に統合することで運用改善しました(下図を参照願います)。
■安全環境審査による新規化学物質事前評価フロー

 

化学物質登録品種の監視

国内5サイトの化学物質の品種の推移は下記グラフの通りです。JAEの品種が他サイトに比べて多い理由は、生産だけでなく開発工場でもあり実験的な化学物質の利用が多いためです。YAEについては2015年から集計開始しました。
引き続き不要な化学物質の品種の削減や次項に示す化学物質使用量の削減を積極的に推進していきます。

化学物質使用量の削減

 前年度に引き続き2015年度も、環境負荷を低減していくために、サイト毎に対象物質を選定し、化学物質使用量の削減を目指して継続して活動してきました。2015年度の化学物質削減活動の主な項目は以下の通りで、今後も化学物質使用量の削減を目指して活動していきます。
 なお、(JAE)、(HAE)、(YAE)、(FAE)、(SAE)とあるのは活動したサイトの略称を示します。とあるのは活動したサイトの略称を示します。
  • 金めっき析出量削減による省金(JAE)
  • めっき生産工程の見直しによる薬品量の削減(HAE)
  • 代替えや新規購入量の削減による薬品量の削減(YAE、SAE)
  • 容器の密閉性改善、洗浄液の非VOC化推進によるVOC大気排出量の削減(JAE)

PRTR情報

 PRTR(※マウスを置いて定義をご覧ください) 法の化学物質について、国内5サイトの取扱量合計値の推移を下記グラフに示します。
 2015年度は、主に洗浄剤に含まれる1-ブロモプロパンや、めっき関係の廃水処理で使用される塩化第二鉄の増加が見られ、これは生産量の増加によるものです。また、ボイラーで使用するA重油に含まるメチルナフタレンは、ボイラーの撤去や空冷ヒートポンプへの変更によるA重油の削減が寄与しました。PRTR対象物質への対応として、引き続き取扱量の傾向把握に努めていきます。

VOC情報

 VOC(※マウスを置いて定義をご覧ください)関係物質の大気排出量について、国内5サイトの大気排出量合計値の推移を下記グラフに示します。洗浄液などのアルコ-ルを中心に、容器の密閉性改善や、洗浄液の非VOC化推進によるVOC大気排出量を年々削減してきました。2015年度以降も引き続き継続監視し、大気排出量の削減に努めていきます。