環境報告書2016

地球温暖化対策

 地球温暖化対策は世界的な重要課題であり、より一層の取り組みが求められています。
航空電子グループでは「環境意識の啓発」「生産系での対策」「工場施設での対策」を3つの柱として、地球温暖化対策に取り組み、環境活動において目的・目標に掲げて取り組んでいます。
 

国内航空電子グループのCO2排出量

 2015年度の航空電子グループのCO2総排出量は96423トンとなりほぼ前年度と同様となりました。
 過去5年間の温室効果ガス排出量の主な増加の要因は、コネクタの主要生産拠点である HAEサイト 及び YAEサイト における生産体制強化によるものです。また、2015年度の売上高原単位悪化は下半期からの急激な受注減が主な要因ですが、特に、生産の増減等に振られることのない効率的なインフラストラクチャーの構築が課題として見えて来ました。
 
エネルギー使用によるCO2排出量の推移

エネルギー使用の原単位 は、国内・海外CO2排出量と連結売上高による原単位を示します(単位: t-CO2/億円)。
※国内電力使用によるCO2換算係数は、電気事業連合会公表値を使用し、2015年度は2014年度実績(0.554 ton-CO2/MWh)を使用しています。
     

電機・電子業界の統一目標への対応状況

 国内航空電子グループは、電機・電子業界の「低炭素社会実行計画」に参画し、
「2020年に向けて、生産プロセスのエネルギー効率を年平均1%改善する 」
を目標として活動を推進しています。

生産の増加に伴い、エネルギー総使用量は増加していますが、全サイトにおける地球温暖化対策への取組みにより エネルギー使用原単位(※マウスを置いて定義をご覧ください) の抑制に努めています。
2015年度のエネルギー使用原単位改善率は目標2.97%に対し2.99%の結果となりました。
     

東京都の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」への対応状況

 昭島事業所は温室効果ガス排出総量削減義務の対象であり、2015年度から2019年度の第二計画期間は平均で15%の削減義務が課されています。
2015年度の排出量は基準排出量からおよそ19%減となり、当初計画以上の削減を行うことができました。

2015年度 省エネ事例

【生産系の省エネ事例】
●成形機の省エネ

成形機シリンダーへの断熱カバー取付を行いました。
電力削減は1台あたり概ね7%程度の削減効果が得られます。
現在、50台以上の取り付けが完了しました。

【工場施設の省エネ】
●空調熱源改修(14年度~16年度の3カ年計画の第2期改修)
 設備更新に伴い、水冷方式から省エネタイプ機器である空冷方式に更新しました。また、水冷方式に使用していたターボ冷凍機を廃止し、設置エリアの省スペース化も図れました。

水冷空調設備

空冷空調設備(省エネ、省スペース)

●水銀灯からLED灯への変更による省エネ
省エネに加え、水銀(有害物質)を含む特定水銀使用製品の製造が2020年に向けて廃止されていくことも踏まえ、JAEサイト(昭島事業所)の全122灯のうち14年度は20灯(16100kWh削減)実施し15年度は12灯(11000kWh削減)を実施しました。(残90灯は2019年度までに計画的に更新予定)

水銀灯

LED灯へ取替え

●常時点灯照明の省エネ

誘導灯の蛍光灯式よりLED式への更新をしました。
JAEサイト(昭島事業所)全211台の対象に対して14年度112台(7850kWh削減)、15年度は99台(6938kWh削減)を実施し全て更新完了しました。

●照明設備の省エネ
 FAEサイトにおいて、蛍光灯式から高効率の蛍光灯、またはLED式への更新をしました。
 使用時間の長い放電加工エリアの全122本の蛍光灯を対象とし15年度には、高効率の蛍光灯50本、LED72本(合計15.7kWh削減)になりました。

●空調環境の改善

工場内通路へのビニールシャッターの設置
(冬場の通路エリアから作業エリアへの冷気の侵入抑制)

●食堂の給茶器の更新
 省エネタイプへの更新に伴い、5台より9台に増設し食堂利用者の利便性を向上させました。
 機器のタイマー機能を細かく設定し運転をさせています。

従来型給茶器

省エネタイプ給茶器
(タイマー運転)
●総合評価試験棟建設に伴う省エネの取組み
総合評価試験棟の建設に伴い、下記の項目に対して省エネ技術を盛り込み建設を行いました。
「空調設備」「換気設備」「照明設備」「給湯設備」「昇降設備」「外壁」「窓ガラス」「屋根」
外壁、窓ガラスなど
天井照明の全灯LED化
耐温度評価試験機(全14台)稼動による排気状況に応じて、
給気風量をインバーター制御により適切に管理しています。
 

地球温暖化対策に関する啓発活動

2015年度に行った地球温暖化対策に係る啓発活動の幾つかをご紹介します。
  1. 環境月間(6月1日~6月30日)  
    環境月間の周知を行い、サイト毎に各種環境月間行事を催しました。

    ・アイドリングストップ運動
    ・ノーカーデー
    ・エコドライブ講習会
    ・各事業所周辺地域の清掃活動 他
     
  2. 省エネに関する環境教育(7月1日~8月7日)
    国内航空電子グループの全従業員に対して、eラーニングを実施しました。
    (詳細は環境教育の項参照)
     
  3. クールビズ、ウォームビズ
     クールビズ(5月7日~10月30日)
     ウォームビズ(11月2日~ 3月31日)
     
  4. 節電ライトダウンキャンペーン参画(6月22日、7月7日)
    夏至と七夕の夜8時から10時までの2時間を特別実施日として一斉消灯を呼びかけ、可能な範囲で各職場内および家庭内において消灯を推進しました。
    ①6月22日:夏至ライトダウン(ブラックイルミネーション)
    ②7月7日:七夕ライトダウン(クールアース・デー)

「ノーカーデー」(JAE)

「エコドライブ講習会」(HAE)

~過度に自動車に依存するライフスタイルの見直し~
2009年からマイカー通勤者にノーカーデー実施を依頼し、通勤によって発生するCO2の削減を進めています。年々参加人数が増え、この数年間の概算状況は次の通りです。

  • のべ参加人数:300人/年
  • のべノーカーデー回数:2500回/年
  • のべCO2削減量:20ton-CO2/年