環境報告書2019

化学物質の管理

化学物質の管理の改善

 作業者の安全や健康への配慮及び環境負荷低減に向けて、化学物質管理の改善に注力しています。取り組みの事例についてご紹介します。

 
●化学物質の登録に関するしくみの効率化
 まず初めに化学物質登録について説明します。
 社内の事前評価制度である「安全環境審査」において、新規化学物質のみならず生産設備の導入、工事、廃棄物の排出及び安全上問題と思われる非定常作業などについて審査しています。化学物質の使用に関しては、運搬や保管、取り扱い、廃棄、その他の必要な情報を記入した自社様式の「化学物質安全管理票」を作成し審査を実施します。
 ここで、審査に合格し登録することにより購入が可能となります。
 (下図を参照願います)。

■安全環境審査による新規化学物質事前評価フロー
 JAEにおいて「安全環境審査」は、2017年度に、リスクアセスメントも含めた安全環境審査の完全電子化を行い、2018年4月から運用開始しました。
 この完全電子化により審査の効率化が図られ、今後、化学物質の迅速な登録が見込まれます。
 

化学物質使用量の削減

●化学物質登録品種の監視
 国内生産拠点の化学物質の登録品種の推移は下記グラフの通りです。JAEの登録品種が他の生産拠点に比べて多い理由は、生産だけでなく開発工場でもあり実験的な化学物質の利用が多いためです。これ以上化学物質登録品種が増加しないよう不要な化学物質が登録されていないか監視し、また、次項に示す化学物質使用量の削減を積極的に推進していきます。
JAE:
・金めっき析出量削減による省金
・生産合理化等による登録物質の削減、代替え、有機溶剤の削減
HAE:
・連続金めっきの新調頻度見直しによる化学物質の削減
・脱脂用薬品使用量の削減
・めっき廃液処理に使用する注入薬品の削減
YAE:
・パーツクリーナー購入量の削減
SAE:
・アセトン、IPA使用量の削減

PRTR情報

 PRTR(※マウスを置いて定義をご覧ください) 法の化学物質について、国内生産拠点の取扱量合計値の推移を下記グラフに示します。
 PRTR対象物質への対応として、洗浄剤として使用する1-ブロモプロパンについて、再生品の利用(リサイクル)や繰り返し使用(リユース)による取扱量の抑制を推進していきます。

VOC情報

 VOC(※マウスを置いて定義をご覧ください) 関係物質の大気排出量について、国内生産拠点の大気排出量合計値の推移を下記グラフに示します。SAEにてエタノールを洗浄剤として使用する生産が増加したため、VOC大気排出量が増加しました。大気排出量の抑制に向け、更なる容器の密閉性の改善や、取扱量の見直しを行っていきます。