環境報告書2019

地球温暖化対策

 地球温暖化対策は世界的な重要課題であり、より一層の取り組みが求められています。
 国内航空電子グループでは「環境意識の啓発」「生産系での対策」「工場施設での対策」を3つの柱として、地球温暖化対策に取り組んでいます。

国内航空電子グループの二酸化炭素排出量

 2018年度の国内航空電子グループの二酸化炭素(CO2)総排出量は72,075トンとなり、前年度より減少しましたが、売上高原単位は増加しました。
 主な要因は、生産量の影響によるものです。引き続き、今後のCO2総排出量及び売上高原単位を監視しつつ、更なるインフラ設備や、生産設備の省エネ化、そして、効率的な生産を行っていきます。
 
エネルギー使用によるCO2排出量の推移

エネルギー使用の原単位は、国内・海外CO2排出量と連結売上高による原単位を示します。(単位:t-CO2/億円)

※国内電力使用によるCO2換算係数は、電気事業低炭素社会協議会公表値を使用し、2018年度は2017年度実績(0.496 ton-CO2/MWh)を使用しています。


 

電機・電子業界の統一目標への対応状況

 国内航空電子グループは、電機・電子業界の「低炭素社会実行計画」に参画し、「2030年に向けて、生産プロセスのエネルギー効率を年平均1%改善する」を目標として活動を推進しています。

生産の増加に伴い、エネルギー総使用量は増加していますが、地球温暖化対策への取り組みによりエネルギー使用原単位の抑制に努めています。
 2018年度のエネルギー使用原単位改善率は目標5.85%に対し27.22%の結果となりました。

東京都の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」への対応状況

 JAE昭島事業所は温室効果ガス排出総量削減義務の対象であり、2015年度から2019年度の第二計画期間は平均で15%の削減義務が課されています。
 2018年度の排出量は基準排出量からおよそ20.7%減となり、単年度で15%の削減に達し、第二計画期間の削減義務は達成する見込みです。
 引き続き、より一層の地球温暖化対策への取組みを推進します。

2018年度 省エネ事例

【工場施設の省エネ】
●インフラ関連

  1. 工場施設関連
    1. 変電所変圧器更新による損失削減(JAE)

      ・変電所変圧器2台を高効率変圧器への更新により10,575kWh/年の削減。

      ・NLC第2センターの変電所変圧器を高効率変圧器(トップランナーII)への更新により2,457kWh/年の削減。

    2. コンプレッサーの更新及び調整(YAE)

      コンプレッサーのインバーターへの更新及び圧力調整により182,636kWh/年の削減。

    3. 空調設備及び冷却チラーの更新(SAE)

      空調設備2台と衝撃試験機冷却チラー1台を更新し19,000kWh/年の削減。

    4. 遊休局所排気装置の稼働により空調機負担軽減(YAE)

      局所排気装置2台を成型室の排熱強化に利用し空調機負担軽減により75,336kWh/年の削減。

  2. 照明関連
    1. LED灯への更新(JAE・YAE)
      ・第3工場の天井照明をLED灯に更新(JAE)
       450灯を更新し、43,440kWh/年の削減。

      ・事務棟1階ロビーの天井照明をLED灯へ更新(JAE)
       全20灯を更新し、3,696kWh/年の削減。

      ・事務棟の階段通路誘導灯のLED灯へ更新(JAE)
       28灯を更新し、9,711kWh/年の削減。

      ・トイレ、ロッカー室照明を人感センサ付LED灯への更新(JAE)
       トイレ6箇所、ロッカー室10箇所の天井灯を更新し、18,370kWh/年の削減。

      ・NLC・第四センターLED灯へ更新(JAE)
       2階の天井照明2灯を更新し、8,816kWh/年の削減

      ・製造エリア天井灯をLED灯へ更新(YAE)
       24時間稼働している製造エリアの360灯を更新し34,085kWh/年の削減。
       
      事務棟1階ロビー天井照明LED
       
      事務棟階段通路誘導灯LED
    2. 水銀灯からLED灯への更新(JAE)
       水銀(有害物質)を含むグランド照明全106灯を2017年度迄に66灯(40,483kWh/年削減)を更新し2018年度に24灯(744kWh/年削減)を更新し残り16灯を2019年度に更新予定。

       
  3. 生産設備関連
    1. 成型機への断熱カバー取付(HAE・YAE)
       成形機シリンダーへの断熱カバー取付、HAEでは44基を実施し延べ169基(延べ264,000kWh/年削減)、YAEでは2基を実施し延べ12基(延べ28,600kWh/年削減)。

       
    2. 真空ポンプへの変更による電力削減(YAE)
      工場エアー駆動から真空ポンプ駆動への変更により182,636kWh/年の削減。
       
    3. 高速プレス機のブロアレス化(YAE)
      高速プレス機11台のプロアレス化により、6,718kWh/年の削減。
       
    4. ドレイン排水のエアーの停止(YAE)
      設備のドレン排水の常時エアーの停止により、96,360kWh/年の削減。
       
  4. 海外生産拠点の活動
    1. センサ付き照明(JAE OR)
       Energy Trust SEM(戦略的エネルギー管理)プログラムに参加し、一例として倉庫内のすべての照明にLEDライト(タイマー/モーションセンサー付き)を設置し、動きが検出されない場合には5分後に自動的に消灯し、動きが検出された場合には点灯するようにした。
       
    2. エネルギー使用量の各種施策による削減(JAE TJ)
      以下の施策により、1.7%/年のエネルギー消費量削減。
      ・施設による空調漏れのレビュー。
      ・50Wや100Wのコンプレッサーの交換。
      ・下図の注意喚起などにより、設備エリアや居室等の照明運用の改善。

       
    3. エネルギー使用量の各種施策による削減(JAE TW)
      以下の施策により、580kWh/年のエネルギー消費量削減。
      ・第一工場オフィスの40Wライトを18Wに交換。
      ・節電の推進を強化し、消灯の習慣を身に付ける。
       
    4. エネルギー使用量の各種施策による削減(JAE WJ)
      以下の施策により、約353,601元/年の電気料金削減。
      ・関連データの収集及び整理。
      ・温湿度、換気の管理。
      ・設備・機器の維持、稼働率の向上。
      ・給気量に応じたエアコンプレッサー台数制御。
      ・不使用機器の閉鎖。

      設備の監視の様子
       
    5. エネルギー使用量の各種施策による削減(JAE WX)
      以下の施策により、16.6Kg/元/年のCO2削減。
      ・定期的に圧縮空気菅の漏れを検査
      ・事務所室内の温度コントロール
      ・生産現場の作業テーブルの照明スイッチの取り付け
      ・旧工場組立エリアの外気処理システム導入による給気量改善

      外気処理システムとその温度調整スイッチ
       
  5. 物流関連

    モーダルシフト輸送によるCO2削減
    モーダルシフト輸送によるCO2削減を継続的に運用しています。
    トラックによる幹線貨物輸送を、「大量輸送が可能な海運または鉄道に転換」する。
    ⇒CO2削減実績24.95トン/年の削減(対トラック輸送)

地球温暖化対策に関する啓発活動

2018年度に行った地球温暖化対策に係る啓発活動の幾つかをご紹介します。
●  環境月間(6月1日~6月30日)
  環境月間の周知を行い、サイト毎に各種環境月間行事を催しました。
  • ノーマイカー運動
  • エコドライブ運動
  • 各事業所周辺地域の清掃活動 他
●  環境一般教育(省エネ啓発含む) (7月13日~8月31日)
  国内航空電子グループの全従業員に対して、eラーニングを実施しました。
  (詳細は環境教育の項参照)
●  クールビズ、ウォームビズ
  • クールビズ ( 5月7日~10月31日)
  • ウォームビズ(11月1日~ 3月31日)
●  節電ライトダウンキャンペーン参画(6月21日、7月7日)
夏至と七夕の夜8時から10時までの2時間を特別実施日として一斉消灯を呼びかけ、可能な範囲で各職場内および家庭内において消灯を推進しました。
6月21日:夏至ライトダウン(夏至の日)
7月7日:七夕ライトダウン(クールアース・デー)

サプライチェーン協業による地球温暖化対策

 航空電子グループでは、国内の仕入れ先様へCSRガイドラインにて温室効果ガスの排出量削減のご賛同及び実践をお願いして、各社に年間の購入電力量の集計を行っています。回答があった弊社取引金額(商社除く)上位20社の2017年度からの購入電力量はわずかに増加しましたが、売り上げによる原単位では3%以上の改善を果たしています。