環境報告書2017

化学物質の管理

化学物質の管理の改善

  作業者の安全や健康への配慮及び環境負荷低減に向けて、化学物質管理の改善に注力しています。ここでは、国内グル-プを対象とした取り組みと、国内各サイトでの事例に分けてご紹介します。

<国内グル-プ共通>

GHS(※マウスを置いて定義をご覧ください)シンボルの教育
 災害防止、安全性の確保や環境の保護、使用者への周知のために、GHSシンボルについて、化学物質の使用者や管理者を対象にe-ラーニング(インターネットを利用した学習形態)教育を2016年度は151名に実施しました。2014年度から開始し、のべ1836名となりました。実施したサイトは、JAE、HAE、YAE、FAE、SAEです。今後も危険有害性情報の周知に努めていきます。 

<JAEサイト>

◆化学物質の登録に関するしくみの効率化
 まず初めに化学物質登録について説明します。
 社内の事前評価制度である「安全環境審査」において、新規化学物質や設備の導入、工事、廃棄物の排出及び安全上問題と思われる非定常作業などについて審査しています。化学物質の使用に関しては、運搬や保管、取り扱い、廃棄、その他の必要な情報を記入した自社様式の「化学物質安全管理票」を作成し審査を実施します。
ここで、化学物質についてはこの審査に合格し登録することにより購入が可能となります。

■安全環境審査による新規化学物質事前評価フロー
 JAEサイトにおいて「安全環境審査」は、従来 部内審査と委員会審査から構成されていたものを2012年より委員会審査の電子化を行い、効率化を図りました。効率化と審査員相互の情報共有・知識レベルの向上を目的として部内審査を委員会審査に統合し、2017年度の安全環境審査の完全電子化に向け、取り組んでいます。 

化学物質登録品種の監視

国内5サイトの化学物質の品種の推移は下記グラフの通りです。JAEの品種が他サイトに比べて多い理由は、生産だけでなく開発工場でもあり実験的な化学物質の利用が多いためです。YAEについては2015年から集計開始しました。引き続き不要な化学物質の品種の削減や次項に示す化学物質使用量の削減を積極的に推進していきます。
 

化学物質使用量の削減

 前年度に引き続き2016年度も、環境負荷を低減していくために、サイト毎に対象物質を選定し、化学物質使用量の削減を目指して継続して活動してきました。2016年度の化学物質削減活動の主な項目は以下の通りで、今後も化学物質使用量の削減を目指して活動していきます。
なお、(JAE)、(HAE)、(YAE)、(FAE)、(SAE)とあるのは活動したサイトの略称を示します。

JAE:
  • 金めっき析出量削減による省金
  • 生産合理化等による登録物質の削減、SDSの更新確認
HAE:
  • 薬品の見直しによる半田めっき液の薬品投入量の削減
  • 脱脂回数を減らすことによるPRTR物質対象の薬品の削減
  • イオン交換装置更新による劇物・特定化学物質に該当する薬品の削減
YAE:
  • パーツクリーナー購入量の削減
SAE:
  • 従来廃棄品の再生調整による洗浄剤新規購入量の削減

PRTR情報

 PRTR(※マウスを置いて定義をご覧ください) 法の化学物質について、国内5サイトの取扱量合計値の推移を下記グラフに示します。

 2016年度は、めっき関係のニッケル化合物や廃水処理で使用される塩化第二鉄の増加が見られ、これは生産量の増加によるものです。洗浄剤に含まれる1-ブロモプロパンの減少については対象アイテムの生産減や洗浄剤の代替えによるものです。ボイラーで使用するA重油に含まるメチルナフタレンについてはボイラーの撤去や空冷ヒートポンプへの変更によるA重油の削減が寄与しました。PRTR対象物質への対応として、引き続き取扱量の傾向把握に努めていきます。
 

VOC情報

 VOC(※マウスを置いて定義をご覧ください) 関係物質の大気排出量について、国内5サイトの大気排出量合計値の推移を下記グラフに示します。洗浄液などのアルコ-ルを中心に、容器の密閉性改善や、洗浄液の非VOC化推進によるVOC大気排出量を削減に努めていますが、2016年度は生産増により大気排出量が増加しました。今後も引き続き継続監視し、大気排出量の抑制に努めていきます。