環境報告書2020

持続可能な社会の形成に向けて  社長 小野原 勉

環境経営について

 私たち航空電子グループは、ESGの視点のもと「環境との調和」を「航空電子グループ企業行動憲章」に掲げて、自然環境を尊重し、環境にやさしい企業活動を通して、スマート化する社会インフラや次世代環境対応ビジネスに向けた、省エネルギー、省資源を実現する商品をお届けしています。
 近年、世界的な異常気象により、様々な被害が報告されています。日本国内でも集中豪雨による甚大な水害が九州地方をはじめ各地で発生しており、SDGs(持続可能な開発目標)にも示されている、生態系破壊を伴う大雨、熱波、豪雪といった気候変動への対策など、我々は世界的に共通で重要な環境関連目標に向けて活動を進めています。また水害があった現場では、工場などで保管されていた化学薬品が周囲へ流出し重大な環境汚染を引き起こしかねない事態も発生しており、自然災害に対する緊急事態対策を充実させる必要性を強く感じました。
 私たち航空電子グループは、地球環境に恩恵を受ける一企業市民として、当事者意識を持ち、企業活動で発生する環境への負荷を低減し、安全・安心かつ豊かで持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。

社長 小野原 勉

環境活動への取り組みについて

 航空電子グループは、法令を順守し絶対に公害を出さないという基本的な取り組みはもとより、お届けする商品と、その商品の資材調達、開発、生産からお客様へお届けする物流、廃棄までを含めた企業活動全般の環境への影響を十分に認識し、環境の保護や地球温暖化対策など社会全体が抱える環境課題に取り組み、またこれらの情報を必要に応じ公表することを、環境方針として掲げ活動しています。
 2004年6月、東京都の林業振興・森林保全事業である「企業の森事業」に参画し、東京都奥多摩町に環境経営のシンボル「航空電子グループの森」を開設して以来、植林、下草刈りや通路整備などを通して、森林保全と水源の涵養に貢献するとともに、生物多様性の保全にも寄与して参りました。この活動に関しては、2018年度に東京都より「東京都緑化等功労」として表彰を受け、2019年度には経団連 生物多様性宣言・行動指針への賛同を表明致しました。(詳しくは「航空電子グループの森」をご覧ください)
 地球温暖化対策では、使用比率の大きな生産設備のエネルギーに着目し、設備の断熱、圧縮空気の漏れ対策を始めとして、国内外の全ての生産拠点において、生産エリアの空調管理の見直しや、ものづくりの効率化などエネルギーの有効利用に継続的に取り組んでいます。
 緊急事態への対応としては、大雨による浸水被害の軽減対策として、工場敷地全域を止水壁で囲む工事を一部事業所で着手しました。また汚染物質漏洩への対策として、めっき廃液の処理施設にある処理槽に、防液堤・排水溝を設置しました。今後はさらに、廃液の地中への漏洩危険性に配慮し、地中にあるめっき廃液の貯蔵施設、並びにその配管類を地上に設置し直し、さらにその地下には、万が一漏洩が発生した際、漏洩廃液を一時貯留する緊急回避槽を設置するなど、緊急事態に対し多重の防止システムを構築する工事にも着手する予定です。

 航空電子グループは、企業活動における環境負荷を低減するとともに、有害物質を含まず環境負荷の少ない製品を開発し、お客様の環境配慮製品に採用して頂くことで持続可能な社会の発展に貢献します。「航空電子グループの森」において毎年継続している森林保全の体験学習は活動基盤となる環境意識の醸成に役立っており、これからも環境経営のシンボルとして育んで行きたいと思います。
 今後も環境に優しいものづくりを実践することで、企業活動と環境保護の両立を図ってまいります。
 皆様のご支援、ご理解をお願い申し上げます。

社長 小野原 勉