環境報告書2020

生物多様性との関わり

生物多様性への取り組み宣言

航空電子グループでは、2009年の環境方針見直しを機に、その基本理念に生物多様性の尊重を盛り込み、私たちの生活は多くの生物の恩恵に浴し、事業活動を行う上でも少なからず生物の環境に影響を及ぼしていることを認識するよう努めてまいりました。
航空電子グループの環境報告書は、2002年から毎年発行しています。当時は意識していなかった活動も、振り返ってみると生物多様性との係わりが深いことが分かります。自然環境の保全や地域交流などの観点でいくつかの事例を拾い集めて見たのが下の表です。
航空電子グループの事業活動では、直接的に原材料を生物資源に依存することはありませんが、地球温暖化対策、省資源活動、化学物質管理等、日頃の環境管理活動を実践し内容を充実させて行くことが生物多様性の取り組みと理解しています。
生物多様性への取り組み宣言として以下の項目を掲げ背伸びせず、実直な活動として継続して行きたいと考えています。
1.生物多様性を尊重した環境経営の推進
2.生物多様性の意識啓発とサプライチェーン展開
3.航空電子グループの森等、地域社会と連携した生物多様性保全活動の推進
 

-生物多様性への取り組みの振り返り-
2002年 昭島事業所駐車場地下に雨水浸透槽設置
       当時は地域水害予防が目的、現在は水資源保護施策として再認識
2003年 環境報告書表紙に、「水面の波」模様のクジラを採用
       航空電子が立地する昭島市の象徴であるクジラと同市の豊かな湧水・地下水を表現
2003年 Pbフリー、RoHS関係有害化学物質全廃スケジュール
       有害化学物質の自然界、生態系への影響低減が背景にあると認識
2003年 SAE 天竜川環境ピクニック(主催:長野県テクノ財団)に参加
       川沿いのごみ拾いと共に、外来種駆除も活動テーマとしている
2004年 東京都奥多摩町に航空電子グループの森開設
       森林保護、水源の涵養等、以後、環境経営のシンボルに掲げて活動
2004年 環境アドバイザー制度
       お取引先様との環境品質確立維持のため設立、今後は生物多様性等のサプライチェーン展開にも期待
2005年 YAE 自社内で栽培したケナフの繊維でテーブルクロス作成
       「あおそ織」の第一人者に依頼:山形県南陽市の精神障害者小規模作業所「花工房」
2006年 YAE 山形県河川アダプト導入モデル事業に参加
       住民・企業・ボランティア団体・行政などで河川管理を行う新たな試み
2007年 SAE 2006年緑化優良工場 (財)日本緑化センターより会長奨励賞 受賞
       受賞後も植樹を続け、小鳥などの餌となる“実のなる木”も植栽している
2008年 SAE 烏帽子岳登山道整備(主催:松川町商工会主催)に参加
2011年 FAE 富士山環境美化クリーン作戦(主催:富士山をきれいにする会)に参加
2012年 HAE 岩木山植樹会(主催:地元の森林ボランティア団体)に参加
2014年 HAE 岩木川河川敷清掃活動
2014年 航空電子グループの森10周年記念植樹「あきしまさくら」
2018年 航空電子グループの森 第42回全国育樹祭にて東京都緑化等功労者として表彰された
2020年 経団連 生物多様性宣言・行動指針への賛同


航空電子グループの森

 2004年度に森林の再生保全のため、環境経営のシンボルとして「航空電子グループの森」を開設しました。豊かで持続可能な社会実現のため、私たちは植林や下草刈りなどの活動(*1)を通して、グループ社員の森林保全体験による環境意識啓発の場とすることに加え、温室効果ガス(CO2)の吸収並びに水源の涵養(かんよう)(※マウスを置いて内容をご覧ください)に貢献しています。  
*1:航空電子グループの森では、これまでにのべ771名のグループ社員の参加により、(1)植樹、(2)若木が育つ期間の下刈り、(3)シカの食害対策用ネット設置、(4) 幹や枝にからみついて樹の成長を妨げる「つる」の除去作業などを行ってきました。


航空電子グループの森概要
所在地 奥多摩町氷川字大沢入
面積 1.33ha
概要 •航空電子グループ、山林所有者、東京都農林水産振興財団の三者分収造林契約(整備期間:平成16年~50年間)
•樹種・・・ヒノキ、ヤマザクラ・あきしまさくら・イタヤカエデ・コブシ・コナラ・ケヤキ・トチノキ・オニグルミ等の広葉樹
開設当初の状態(1号地)
現在の様子(2号地と標識)
あきしまさくら
ヤマザクラ

 2019年度には、一般社員15名に森林保全研修を実施しました。(公財)東京都農林水産振興財団から、森林・林業が果たす役割について(※マウスを置いて内容をご覧ください)のご説明と、東京都森林組合のご指導のもと、“鹿よけ用ネットの除去” や、“除伐見学”、 (株)森と市庭様による木育(木材のおもちゃなどを作成し子供等に木に触れてもらうこと)のご説明などを通して、森林保全の意義などを学習することができました。

森林・林業が果たす役割
聴講の様子
ネット除去の様子
木育聴講の様子

●経団連 生物多様性宣言・行動指針への賛同
経団連では、企業に対し、生物多様性に関する自主的取組みの推進を目指しており、生物多様性宣言を掲げています。
航空電子グループでも、これまで航電子グループの森での森林保全活動を継続し、環境方針で生物多様性の尊重を掲げていますので、経団連による生物多様性宣言・行動指針について、2020年1月に賛同し、下図の航空電子グループの生物多様性宣言と、航電子グループの森の活動を伝えました。