環境報告書2023

地球温暖化対策


 地球温暖化対策は世界的な重要課題であり、より一層の取り組みが求められています。
 国内航空電子グループでは「環境意識の啓発」「生産系での対策」「工場施設での対策」を3つの柱として、地球温暖化対策に取り組んでいます。

航空電子グループの二酸化炭素排出量

 2022年度の航空電子グループの二酸化炭素(CO2)総排出量は68,135トン(2021年比39.9%減)となり、前年度より売上高原単位ともに大幅に減少しました。
 これは、HAE、YAEで再生可能エネルギー由来の電力を導入したことや、グループ全体で省エネ活動を推進したことによります。

エネルギー使用の原単位(※マウスを置いて定義をご覧ください)は、国内・海外CO2排出量と連結売上高による原単位を示します。(単位:t-CO2/億円)

※国内電力使用によるCO2換算係数は、環境省の算定方法・排出係数一覧に掲載された各電力会社の公表値を使用しています。

 今後のCO2削減に向けて、政府方針でもある2050年CO2総排出量実質ゼロを念頭に、以下の目標(国内外生産拠点スコープ1,2のCO2排出量を対象)に向け、取組みを行っていきます。
 


 昨年の再生可能エネルギーの導入や省エネの取組みにより、36.2%減(2017年比)となりました。
 また、引き続き、海外生産拠点も含めたグループ全体の活動として、使用電力の把握に努め、CO2総排出量及び売上高原単位を監視しつつ、更なるインフラ設備や、生産設備の省エネ化、そして、効率的な生産、再生エネルギーの導入を行っていきます。省エネについては、2022年度から、従来の目標の2倍を目安に各生産拠点にて施策を掲げて実施しています。また、昨年は、社外の有識者による省エネ診断も受けました。今後も省エネを推進していきます。

SBTへの対応状況

 航空電子グループは日本電気グループの一員としてSBTiよりSBT1.5℃の認定を取得しております。またGHG排出量(スコープ1,2)のデータについては、昭島事業所、HAEに続き、他の生産拠点についても第3者検証を受審し認証を受けていきます。
 引き続き、算定集計値の正確さの維持と、算定集計方法の効率化を図っていきます。

電機・電子業界の統一目標への対応状況

 国内航空電子グループは、電機・電子業界の「カーボンニュートラル行動計画」に参画し、「2030年に向けて、生産プロセスのエネルギー効率を年平均1%改善する」を目標として活動を推進しています。
 引き続き、省エネへの取組みによりエネルギー使用原単位の抑制に努めています。
 

東京都の「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」への対応状況

 2020年度から2024年度の第三計画期間では平均で25%の削減義務が課されておりますが、2022年度の排出量は新製品の立上げ等により、基準排出量から単年度では25%の削減に達しませんでした。このままでは削減義務の達成が厳しく、再生可能エネルギーの導入なども含めて、より一層の地球温暖化対策への取組みを推進します。
 

航空電子グループの森の貢献

 航空電子グループの森でのヒノキや広葉樹の植樹等により、温室効果ガス(CO2)の吸収量は年間約5.3t-CO2と推計しています。

2022年度 省エネ事例

工場施設関連及び生産系

実施内容①
生産設備(印刷硬化炉)の非稼働時ヒーターOFFによる電力削減
(UIS)
生産に使用している印刷硬化炉については、品質安定性確保の観点から常時ヒーターONでの稼働としていたが、影響度の低い工程をターゲットとして安定性確認評価を行うことで、非稼働時間帯のヒーターOFFを実現。順次適用を進めることで、エネルギー消費の抑制を図りました。
効果 備考
約567,594kWh/年
 

 
実施内容②
コンプレッサー更新による電力削減
(HAE)
動力棟に設置し工場内にエアーを圧送しているコンプレッサーについて、省エネ仕様に更新する事で節電を図りました。
効果 備考
340,323kWh/年

 
実施内容③
高効率変圧器への更新による電力削減
(YAE)
2022年度に第一工場A棟で使用していた変圧器2台を下記の損失が低減された変圧器に更新し、電力削減を図りました。
・高性能の低損失鉄心材料の採用 ⇒ 無負荷損(常時発生している鉄心による損失)の低減
・低負荷損品の採用 ⇒ 負荷損(電流が流れることで生じる銅線抵抗による損失)の低減
効果 備考
41,520kWh/年

 


JAE照明関連

実施内容①
LED灯への更新(JAE)
  • 第1工場1~4階フロアの天井照明676灯を更新。
    年17,144kWhの削減を達成しました。
  • 事務棟1~4階フロアの天井照明266灯を更新。
    年3,032kWhの削減を達成しました。
効果 備考
計20,176kWh/年
 
建屋内照明のLED化は2013年度から計画的に実施しています。
今後も引き続き老朽化した厚生事務棟、第1工場フロア照明を中心に計画的に更新予定。

2022年度末現在
11,004灯中4,609灯LED化済
進捗率42%

海外生産拠点の活動

実施内容①
照明改善(JAE-WX)
省エネのLED照明を特注し、生産現場に影響しないように出力の変更(18W→8W)及び明るさの調整を実施しました。
総計986本を省エネLED照明に交換しました。
効果 備考
87,393kWh/年

 
実施内容②
工場省エネ活動(JAE-WJ)
夜間屋外投影照明改善

 
LED照明への更新
電気の節約改善。
  • 作業場屋上の夜間屋外投影照明を太陽光発電に更新。
    年21,024kWhの削減を達成しました。
  • 第二工場作業場の蛍光灯をLED照明に更新。
    年19,540kWhの削減を達成しました。
効果 備考
計40,564kWh/年

物流関連

1)モーダルシフト(鉄道輸送)によるCO2削減

トラック輸送(木箱梱包)を鉄道輸送(コンテナ)に切り替えることによりCO2削減を実施しました。
CO2削減実績4.2571トンの削減 (トラック輸送との対比)
 


2) リユーストレー使用によるCO2削減

コネクタのトレーをリユースすることでCO2を削減しました。
CO2削減実績=84.6396ton削減。
※リユーストレー重量33.92ton/年×換算係数2.55ton CO2/ton=84.6396ton
 

地球温暖化対策に関する啓発活動

2022年度に行った地球温暖化対策に係る啓発活動の幾つかをご紹介します。
●  環境月間(6月1日~6月30日)
  環境月間の周知を行い、サイト毎に各種環境月間行事を催しました。
  • エコドライブ運動
  • 各事業所周辺地域の清掃活動 他
●  環境一般教育(省エネ啓発含む) (7月11日~8月31日)
  国内航空電子グループの全従業員に対して、eラーニングを実施しました。
  (詳細は環境教育の項参照(クリックすると開きます))

●  クールビズ、ウォームビズ
  • クールビズ ( 5月1日~10月31日)
  • ウォームビズ(12月1日~ 3月31日)

サプライチェーン協業による地球温暖化対策

 航空電子グループでは、国内の取引先様へCSRガイドラインで温室効果ガスの排出量削減のご賛同及び実践をお願いし、サプライチェーン一体で地球温暖化対策に取り組んでいます。